ムエタイ入門(40回) 

バンコクにはラジャダムナンスタジアムとルンピニースタジアムという2つのメジャースタジアムがある。これはムエタイファンであれば誰でも知っていることだろう。

それでは、これらのスタジオに出場する選手の数はどの程度いるのか?

実はこれは結構簡単な方法で推定できる。

まず、ラジャダムナンスタジアムは月、水、木、日曜日に興行をやっており、ルンピニースタジアムは火、金、土曜日に興行をやっているわけだから、つまり毎日どちらかのスタジアムで興行が行われていることになる。1興行に行わる試合の数をざっと10試合とすると1ヶ月に30興行で300試合が行われるということになる。選手の数としては600名である。

一方、ムエタイ選手は基本的に最低21日の試合間隔を空けなければならないことが規則として定められていることから、ボクシング法(ポーローボームアイ)に則って試合を行っている大抵の大人(14歳/100ポンド以上)の選手であれば、試合間隔は1ヶ月程度またはそれを超える程度となる。

従い、メジャースタジアムに出場する選手の数もちょうど600名くらいなのではないかと推測できるのだ。プロモーターの勢力が複雑に入り組んだ現在のムエタイシーンにおいては、多くの選手がこの2つのスタジアムの両方で試合を行っており、ランキング表においても両方に名前が入っている選手が多いが、敢えて分けるとすると各スタジアムに300名ずつということになる。そして、両スタジアムには、105ポンドから154ポンド(160ポンド)まで12~13の階級があり、日常的に試合の組まれる階級だけをカウントすると、1つの階級にスタジアムごとで30人弱ということになるであろうか…。まあ実際には、両スタジアムを合わせて考えるべきかもしれないので、そうなると1つの階級に60人の選手がいるということになる。

もちろんバンコクにある大型スタジアムはラジャとルンピニーだけではない。実際には、7チャンネルスタジアム(モーチットスタジアム)、3チャンネルスタジアム(オムノーイスタジアム)、ランシットスタジアムなどでも毎週末試合が行われている。ついては、この手のスタジアムを主戦場とする選手も含めると、バンコクで活躍するムエタイ選手の数はもう少し多くなるかもしれない。

さて、さすがにこれだけの数の選手がいると、全員の名前を覚えるというのは至難の業である。それこそ、ムエタイ観戦を職業とするシアンムアイにでもならなければ無理な話であろう。

ただ、各選手に関するデータが多ければ多いほどムエタイ観戦が楽しくなるというのも事実である。とりわけ、出身地、年齢、所属ジム、所属興行(系列)、階級、同階級でのライバル選手、保持タイトル、ファイトスタイルなどはもとより、それぞれの選手の家庭環境や将来の目標といったパーソナルなことまで知っていると感情移入もしやすくなる。

別に何百人もの選手のことを知っておく必要はない。それより数十人でも良いので今のムエタイ選手のことを知っていると、よりムエタイが楽しめるようになるのではないかと思うわけだ。

という訳で、次回からは、現在のムエタイシーンにおいてどのような選手が騒がれているのかということについて書いてみたい。

便利なことにタイでは色んな団体が年間最優秀選手というのを発表しているので、これらの賞を誰が獲得したのかを見れば、騒がれている選手が一目瞭然である。

2015年12月に発表されたラジャダムナンスタジアムのMVP以降今日に至るまで、一体どの選手がどのMVPを受賞したのか、また、どのような選手がMVP候補に挙がっていたのかということを次回ご紹介しよう。

~続く~

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文・徳重信三

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