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ムエタイ入門(25回)

    
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ムエタイ入門(25回)

今回はタイ国内で今どんな選手が人気を集めているのかについて書いてみる。

ちょうど最近インターネット上において「現代ムエタイの人気選手ランキング」なる記事が掲載されており、ここにトップクラスのムエタイ選手10名がピックアップされていたので、筆者の私見も織り混ぜながら紹介することにしよう。

このランキングの上位に食い込んでいる選手の多くが7チャンネルテレビマッチを主戦場にしている選手であり、この順位付けには正直筆者も驚いたが、地方に住むムエタイファンの大半がルンピニーやラジャダムナンといったバンコクのメジャースタジアムではなく、通常、お茶の間のテレビでムエタイを観戦していることを考えると、案外この結果は妥当なものなのかもしれない。

スペースの都合で一気に全員は掲載できないが、とりあえず10位から7位までの選手を並べてみることにする。

■10位:パコーン・PKセーンチャイムエタイジム

<説明>
ワンソンチャイ興行の選手だが、所属ジムはコロコロ変わっており、最近では、ラマ9世通りにある13リアンリゾートジムでセーンチャイ、セーンマニー、ゴーンサックなどと一緒に練習している。この選手の特徴はなんと言ってもそのハートの強さであり、数年前のポンサネーとの連戦は、ムエタイの歴史に残る激戦であった。15、6歳の頃からラジャダムナンスタジアムにおいて頭角を現し、以降、同スタジアムの人気選手として注目を集めてきたが、24歳になる今でも全くその勢いは衰えておらず、2013年度はタイ国スポーツ局の選定する年間最優秀選手に輝いている。これまで殆どテレビマッチに出場してこなかったことから、今回は10位という結果になっているが、負けず嫌いで好戦的なファイトスタイルは、スタジアムのギャンブラーのみならずお茶の間のムエタイファンにも受け入れられるであろう。

■9位:セーンマニー・ソー・ティアンポー

<説明>
2012年と2013年のムエタイ界はセーンマニーを中心に回っていたと言っても過言ではないだろう。この時期のセーンマニーにはそれくらい勢いがあり、2012年度にはルンピニーとラジャダムナンの両方のスタジアムのMVP賞を同時受賞したのみならず、最も権威があると言われるタイ国スポーツマスコミ協会のMVPも獲得している。ところが、2013年下旬にアマチュアボクシングに転向し、その後数ヶ月してムエタイに復帰してからは、以前の勢いが若干鈍ってきている。とりわけ、タクシンレックに2連敗したことを含めて、最近はなかなか勝ち星に恵まれていない。2014年に入って以降、身体の成長に伴い、セーンマニーの契約体重はみるみる上がってきているが、以前に比べると多少太ったような感は否めない。ただ、そうは言っても、試合の内容自体はそんなに悪いわけではなく、何と言ってもまだまだ17才。伸び代は大きいと思われる。

■8位:シーウイ・ソー・スナンチャイ

<説明>
7チャンネルテレビマッチの花形選手。ルンピニーやラジャダムナンではそれほど活躍していなかったが、7チャンネルスタジアム(モーチットスタジアム)でその才能を開花させ、2011年度は同スタジアムの最優秀選手に選ばれ、2012年度は最激闘試合賞を受賞している。ただし、最近では身体の衰えから試合数が減ってきている。おそらく、バンコクのスタジアムで活躍できる時間は、もう残り少ないかもしれない。ちなみにシーウイとは、60年ほど前にタイ全土を震撼させた伝説の殺人鬼の名前である。

■7位:ムアンタイ・ソー・ブンイヤム

<説明>
7チャンネル興行とルンピニースタジアムのギアペット興行を主戦場としている選手。至近距離からの肘打ちを得意としており、これまでこの技で何人もの対戦相手の顔を切り裂いて沈めてきた。闘鶏のように相手に向かっていく様子からジャオピーディップという呼び名が付いている。

~続く~

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