WINNERS2017 1st 志朗VSバカイペット戦 志朗KO勝利
こんな劇的な幕切れを見たのはいつ以来だろうか。
アナウンスされたKOタイムは5ラウンド3分10秒──
戦前、勝敗予想は一方的にバカイペットの方に傾いていた。
「バカイペットは強いから負けても仕方ないよ」
どちらが勝つのではなく、
おまけにこの一戦は総額150万円というファイトマネー勝者総取
悔しくなかったといえば、嘘になる。しかし、
「バカイペットはタイで1試合6~7万バーツ(20~23万円)
ムエタイの世界は実力至上主義。
だからといって玉砕覚悟のチャレンジマッチをするつもりは毛頭な
果たして、1R志朗はバカイペットの動きが良く見えたという。
「左ミドルをもらっても大丈夫だった。でも、
負けじと、志朗は2Rになると得意のインロー(内腿へのロー)
医者からは全治3週間~1カ月と診断された。
「途中から痛みはやっぱり感じていましたね」
3Rこそ右ヒジをヒットさせた志朗がポイントを奪ったが、
「それまでずっとワンツーだけだったけど、
「これでタイではいい位置(ビッグマッチが多い平日興行)
自らの右の拳で志朗は金星を飾るとともにチャンスを掴み取った。
TEXT:布施鋼治/KOJI FUSE
PHOTO:早田寛/HIROSHI SODA