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ムエタイ入門(26回)

    
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ムエタイ入門(26回)

前回に引き続きタイで人気のあるムエタイ選手を紹介しよう。順位は筆者が付けたものではないし、異論は色々あるだろうが、これは、テレビを通じてしかムエタイを観戦していない一般的なムエタイファンを念頭においたランキングであると考えて頂きたい。

6位:ペットブンチュー・FAグループ(写真左上)
〈説明〉
1990年5月8日、ウドンターニー県出身の24歳。2013年度、サイアムスポーツ社の選定する年間最優秀ムエタイ選手になったばかりで、現在133ポンド~137ポンドで試合をすることが多い。ペッティンディー興行所属。ヨードウィチャーと同様、試合においては、膝蹴りを中心とした地味なスタイルだが、プライベートでは実は女性にモテるそうだ。つい最近は、TGN及び5チャンネルのムエタイ放送で司会をつとめていた女性との婚約が交わされて話題になった。

5位:サームエー・ガイヤーンハーダオジム(写真右上)
〈説明〉
1983年10月13日、ブリラム県出身の31歳。ペッティンディー興行所属。一時期はジュニアフェザー級(122ポンド)で無敵を誇っていたが、最近は若干陰りが見えてきた。まあ、それでも、123ポンド~126ポンドにおいて若手にとっての大きな壁となっていることは事実であり、CPグループ幹部ドクターポンの後ろ盾がある限り、まだまだ元気な姿を見せてくれるのではないかと思われる。

4位:セーンチャイ・PKセーンチャイムエタイジム(写真中左)
〈説明〉
1980年7月30日、マハーサラカム県出身の34歳。以前はワンソンチャイ興行に所属していたが、今はペッティンディー興行所属。チャーヤー(呼び名)は、「コートムアイサラカム(日本語にすると、マハーサラカムの至高のボクサー)」。注目頂きたいのは、セーンチャイにだけは、ヨードムアイ(最高のボクサー)ではなく、コートムアイ(至高のボクサー)の称号が付いているということ。浮き沈みの激しいムエタイのトップ戦線だが、セーンチャイだけは、長きに渡ってパウンド・フォー・パウンド最強の選手として君臨してきた。テレビでしかムエタイ観戦しないようなタイ国内のファンでも当然セーンチャイの名前は知っているだろうが、今回人気順位が4位に留まった理由は、やはりその一般への露出の少なさが原因であろう。

3位:セクサン・オー・クワンムアン(写真中右)
〈説明〉
1989年1月20日、ナコンシータマラート県出身の25歳。所属ジムの会長であるソムマーイ・サクンメーター氏は自分でも興行を打っているが、ギアペット興行のヒアチュンと提携関係にあるため、セクサンもギアペット系の興行で試合をすることが多い。天然ゴム園で働く親の収入は少なく、幼少時は貧困に苦しんだという。そんなこともあってか、セクサンの試合は常にアグレッシブ。決して器用な選手ではないが、がむしゃらで最後まで諦めないファイトスタイルから“コンマイヨームコン”の呼び名が付いている。最近は130ポンドくらいで試合をすることが多い。現在のファイトマネーは12万バーツ。

2位:ペートセーンレック・ラーチャノン(ソー・スマーリー)(写真下左)
〈説明〉
1993年1月20日、ウボンラチャターニー県出身の21歳。現在132ポンド~135ポンド。韓流俳優のようなルックスからは想像できないかもしれないが、ペートセーンレックは、ワンソンチャイ興行で活躍し、あのラモン・デッカーとも熱戦を繰り広げたスーパーレック・ソーンイサーンの実の息子。スーパーレック自身は2013年4月、44歳の若さで亡くなってしまったが、ペートセーンレックはちょうどこの年に7チャンネルテレビ興行で大ブレーク。同年度の最優秀選手に輝いた。得意とするのは、父親譲りのハードパンチ。7チャンネル仕込みの派手なファイトがどこまで通用するのか、今後はルンピニースタジアムやラジャダムナンスタジアムでも活躍して欲しいものだ。

1位:トゥアンペッ・ギアットコムシン(写真下右)
〈説明〉
1992年3月14日、ウボンラチャターニー県出身の22歳。現在130ポンド~135ポンドでの試合が多い。古くからのムエタイファンであればトゥアンペッという名前を聞いて思い出すのは、ヌンウボン・シットラゥーチャイではなかろうか。というのもヌンウボンは両足の長さが違っており(右足が左足より短く)「トゥアンペッ」というチャーヤー(呼び名)が付いていたからだ。ここで紹介するトゥアンペッ・ギアットコムシンも幼少の頃からの障害により右足が萎縮してしまっていることから、リングネーム自体がトゥアンペッとなっている。この選手の凄いところは、そのハンデである筈の右足による攻撃を得意としていること。特に超至近距離からの右ハイキックは相手に見えにくいためか、高確率でヒットする。トゥアンペッは、ギアットペット興行のお膝元とも言えるウボン県の出身であり、ペットセーンレック同様、7チャンネルテレビマッチにおいて有名になった選手だが、今後その実力をメジャースタジアムにおいても発揮して欲しいところである。

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文章:徳重信三(シンラパムエタイ)

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