2019年1月6日タイ・志朗勝利
<試合結果>
志朗判定勝利。
志朗 VS ペットサムレット・オーボートーノンヤントイ
1月6日、志朗(BeWELLキックボクシングジム所属)、バンコク郊外のノンタブリー県にある、オトコー3スタジアムで開催された。ギャットペットチュンプロモーターの生誕祭記念興行に出場。
興行はスックチャーンムエタイギャットペットによって開催。ギャットペットチューン氏は、タイ・ムエタイ界の大物プロモーターとして名を馳せており、この興行はアマリンTVにて全国放映された。
志朗の対戦相手は、もともと7CHチャンピオンのローグン・ダープランサカーカム選手だったが、直前になり怪我で対戦相手が変更され、ペットサムレット・オーボートーノンヤントイ選手となった。
試合は、相手有利の11対8の掛け率で始まった。
1R、いつもは双方の力量見せから始まる。しかし、オーボートーノンヤントイ選手は、最初からきついローを志朗に放った。
志朗もローを得意とし、武器にしているが、オーボートーノンヤントイ選手のそれは、巧みにスネの外側筋肉のない部分を狙っていた。かなりの痛みに耐えながら志朗も攻撃を緩めない。
2R、カットしても蹴り返し、カットしても蹴り返すという、攻撃と防御が繰り返されるキックの応酬。志朗は巧みにテンポを合わせながら、キックを相手に的確に当てていく。肘とパンチを得意とする選手に対して、志朗は慎重な攻撃を組み立てていく。セコンドからはもっと積極的な攻撃をしろと檄が飛ぶが、志朗はあせらずに、得意のパンチとローで相手を追い詰める。
そして終盤、志朗の攻撃に対して、嫌がるそぶりを見せ始めたことから、志朗へと掛け率が上がる。
3R、掛け率が不利になったことで、首相撲で一気に組みついてきた。オーボートーノンヤントイ選手は、首相撲で距離を縮めて志朗のローキックを潰しにかかってきた。さらに、強烈なミドルキックが志朗を追い詰める。ムエタイはミドルキックがポイントが高い。
ここで志朗から相手へと掛け率が変化。
4R、セコンドからは、絶対に相手の攻撃に対して下がるなと指示がでる。下がるとイメージが悪くなってポイントが下がるからである。相手も賭け率が有利になったことで、さらなる圧力をかけて来る中、攻撃ポイントを冷静に探す志朗。オーボートーノンヤントイ選手は、何度か得意の飛び膝を出そうとするが、志朗はそれに対してパンチを合わせて、相手を2回スリップダウンさせた。すぐに立ち上がったので、カウントダウンはなかったが、ムエタイでは相手の攻撃でバランスが崩されると、印象が悪くなりポイントは相手選手に付く。会場の雰囲気は一気に志朗有利と変わっていった。
5R,勝利を確信したセコンドから、この最終ラウンドは流せという指示があるが、オーボートーノンヤントイ選手は、ムエタイのリングで外国人選手に負けるわけにはいかないので逆転を狙ってKO狙いで攻撃を仕掛けてくる。それに対してディフェンスをしっかりと守る志朗。攻撃をしながら時間を気にするオーボートーノンヤントイ選手。1分を切ったあたりで、顔には焦りが見えてくる。しかし、攻撃もそこまでだった「。完全に志朗が試合をコントロールして終了となった。
今回の試合は、大物プロモーターの生誕祭というビックイベントであり、注目の一戦となった。勝利は、志朗の勝ち星を増やしただけではなく、今後のマッチングにも大きく影響する。試合後には、志朗に駆け寄り勝利を喜ぶギャットペットチャン氏の姿が、大きく注目されていた。
<対戦相手の印象>
パンチとローが武器だとわかっていた選手で、自分が9月29日の試合で負けたペットアサウィン選手をKOで倒しています。なので苦手意識もありました。実際にローとパンチが強くタフな選手だと思いました。契約体重も当初は、55.3Kg
で申し込んだのに、相手が体重が落ちないということもあり、2日前に56.2Kgと言われました。最終的には前日に55.8Kgとまりましたが、自分にとってはあまりいい条件ではなかったのが不安材料でした。
しかし、年末年始でしたが、ジムに選手が残っていたので、練習をしっかりできたのがよかったと思います。
<今年度の抱負>
今年度は、RISEワールドシリーズが始まります。まだ対戦相手は決まっていませんが、世界中のトップ選手が集まる中、ここでの勝ちは自分の名前を世界に広めることになります。肘や膝のないムエタイと違い、RISEルールで戦うためには、もっとこのルールを体に染み込ませて、自分の攻撃力を高めないとダメだと11月の試合でわかりました。挑戦しなければ道は開けない。そうわかっているので、今月早々に日本に帰り、RISEの試合に備えて練習していきます。このトーナメントに勝ちそしてTOPになること、そこを第一にしていきます。
勝利後、ギャットペットチュン氏と志朗